室内空気環境
その5 隙間と隙間風
冷暖房のランニングコストを計算するのに、不可欠な高気密

   タマチャンさー、隙間の事調べようとしたんだけどさー、全然分からないよ。気密や隙間相当面積って言葉は見つかるんだけど、隙間風のことは見つからないよー。隙間から外の空気が入るから問題なんだよね。入る量は計算出来るのかなー。ドラエモンに聞けたらいいのになー。自分でやってみるかー、苦手だなー。エート、タマチャンのところはW地区って言ってたから、隙間相当面積 C=5.0平方センチ/u以下でしょ、そうするとタマチャンの憧れの家が150uとすると、隙間の量を全部合計すると、5 x150=750平方センチ タマチャンの出入り口がだいたい15p角とすると、225平方センチだから、えーっ、なに?3つ分以上もあるの。こんなんだったら、ネズミどころか、よそのネコだって団体で出入りできちゃうよね。これで気密住宅だなんてー、 インチキだー。

「おや、タマチャン。何怒っているんだい?」

 あっ、ボス、いいところに来たよ。隙間の事を調べようとしてるんだけど、何で気密住宅とか言うのに、こーんな大きな隙間があるなんて、インチキだよ。

 「あー、W地区の気密基準値のことだねー。そうなんだ。このくらいの気密性能では、隙間風(隙間から入る外気の意味)が入って、冷暖房した室内の空気を押し出してしまって、常時、全室冷暖房なんて、運転費が掛かりすぎてとても出来ないんだ。そしたら、皆どうする?」

自分達がいる場所だけ冷暖房するんだよ。ずるいんだから、タマチャンなんか、お気に入りの場所から移動だよ。

「まー、まー落ち着いてよ。でもそうなんだよね。そうすると、人のいる部屋だけだから、廊下、浴室やトイレまで温度差のない快適な状態には出来ないんだよ。」 

なんだー、それじゃー部屋間の温度差が体に悪いって言っていたのに、健康住宅にならないじゃん。 

「だから浴室暖房乾燥機とか、トイレの冷暖房機なんてのがTVで宣伝してまで売り出されるのさ。」

ねー、それって、スキマ商品ってこと。

「うまい!タマチャン、座布団1枚。ちょっと意味が違うけど確かに隙間がなければ必要のない商品だよね。」

最近勉強してるんでさー、賢くなったみたいよ。

「じゃー、隙間風のことを話してあげるね。タマチャンさっきさー、750平方センチでデカイーって驚いていたけど、隙間風の量の場合はチョット違うんだよ。隙間は建物の一箇所に在る訳じゃないでしょ。正方形の建物として話を進めるね。隙間は4方向(東西南北)に均一にあると仮定すると、一方向の壁には、四分の一、つまり750÷4=187.5平方センチの隙間があることになるね。空気の出入りには、入り口と出口が必要だっていったよね。つまり、北風が吹いたとすると、北面の187.5平方センチの隙間から外気がはいり、南面の187.5平方センチの隙間から室内の冷暖房された空気が押し出される事になるんだよ。入った外気がそのまま出ていくのならまだいいんだけど、冷暖房された空気が押し出されるから大問題なんだね。」

それじゃーいくら冷暖房しても、みんな風で押し出されちゃう訳?

みんなじゃないけどね、そしたら、この表を見てごらん、驚くよ。」  

表―1 風速と隙間レベルに対する推定隙間風量(立方メートル/1時間

風速 (m/s)

1.0
2.0
3.0
4.0
5.0
風圧力(mmH2O)
0.061
0.245
0.551
0.980
1.531
隙間風速(m/s)
0.707
1.414
2.121
2.828
3.536

気密レベル C値

(平方センチ/u)

1.0
9.546
19.092
28.638
38.184
47.730
2.0
19.092
38.188
57.276
76.368
95.459
3.0
28.638
57.276
85.913
114.551
143.189
4.0
38.184
76.368
114.551
152.735
190.919
5.0
47.730
95.459
143.189
190.919
238.649
床面積150uとし、隙間の分布は壁の4方位に等分布と仮定する。

ボスはこの表置いて行ったけど、隙間の四分の一が風の入る量だっていってたから少し安心してたけど、何なのよコレは。日本の平均風速は、3〜5m/s って言われてるでしょ。床面積150uの必要換気量は、0.5回換気とすると 150x2.4x0.5=180立方メートル/1時間でしょ。ということは、W地区の気密基準値で建てた家では風速4m/sの風が吹いたら必要換気量を超えてしまうよ。解かった、だから、中気密の自然換気で十分とか言う人がいるんだ。だけどさー、風吹き込み式換気だと、冷暖房エネルギーが無駄になるでしょ。その上、丁度0.5回換気分の風が一年中吹くわけじゃないでしょ。もっと重大なことは、風が吹かないときだよね。夜、風のないときは自然換気しないよね。ということは、やっぱり換気は、24時間機械換気が健康には一番だよね。機械換気を設置したら、それ以上の換気は必要ないわけだから、隙間換気は要らないわけよ。と言う事は、隙間は要らないということだよね。ねっ、ボス。

 「そうだね、でも、要らないというよりは、あってはいけない。というのが本当だね。機械で計画換気をするんだよね。その時、どこにあるか分からない隙間は、計画した空気の流れを乱すんだね。計画通り換気にするためにも、隙間は、在ってはいけないのさ。だから、徹底した気密工事をするんだよ。」

 やっぱね。ボス、気密ってシルバーのテープ使うんでしょ。何で知ってるかって? だってボスシルバーって言うんでしょ。寒かった? チョット、コーヒーブレークでした。  熱損失係数には隙間換気の熱損失は計算に入れてないから暖房費のランニングコストを計算しても、風が吹いたら換気量が変わってしまうでしょ、それにさー、前に温度差でも隙間から換気するっていっていたよね。暖房する時は当然、温度差が在るわけだから余分な換気をしてしまうってことだよね。そしたらさー、24時間暖房にしたらどのくらい隙間からにげるのかなー。あっ、ボスの机の上になんだか計算した紙があるぞ。
何々、隙間風の量が
190立方メートル/h で、温度差を17℃(1月の平均気温を3度と仮定)とすると、隙間風によって失われる熱量は、一時間で969kcal/h 一ヶ月で 697680kcal/月 ということは、811kw/月 になるよね。電気で暖房すると、1kw=23円とすれば 811 x 23 =18,653 円 省エネルギー基準をクリヤーとかいったって、隙間風で 18,653円も失われるじゃ24時間全室暖房なんてできないジャン。やっぱ、こたつだね。ねこは、こたつで丸くなる。ってか、やだよー。トイレに行くとき寒いのは。気密はC=1cu/u以下にしてくれー。部屋中、どこに行っても寒くないのが好きだよー。