室内空気環境
その4 計画換気
きれいな空気と快適な温湿度環境をつくりだすのには不可欠な計画換気

 みなさーんお元気ですか? タマチャンは少し元気ないです。なぜか?って、この話のために真剣にがんばったから、少し寝不足なの。1日20時間は寝てないと調子が悪いのよ。それにしても、これは大事だ、あれは必要だ、とかばっかり言っちゃってさ、疲れちゃうよ。タマチャンに必要なのは食事と睡眠だけだよ。あとは・・・あっ、やっぱり寝てるときは快適が一番だね。暑くなく、寒くなく、ウツラ、ウツラとしている時が一番幸せに感じるね。ということは、快適な場所さがしが必要だよね。探さなくても良くするには、快適な環境づくり、ということは、やっぱり勉強だー。
ところでさ、前に
換気が絶対必要だって言われたけど、計画換気ってなんなのよ。換気すればいいんでしょ。
ネーー ボスー計画換気ってなんなの?

 「計画換気は、計画的に換気することだよ。」

 まんまじゃん。計画が解らないのよ。

 「ごめん、ごめん。でもこのとおりなんだ。やみくもに換気をするのではなくて、すみずみまで、空気の汚れが溜まらないように、空気の流れを設定するんだ。そのため新鮮空気の入り口(給気口)の位置がとても大事なんだね。部屋の給気口から入った新鮮空気は一部は物入れや押入れの中を通り、残りは、廊下や居間などを通って、トイレや浴室に入ってから捨てられる(排気)ように流れを計画するんだ。そして、その新鮮空気の取り入れる量も重要なんだね。以前、換気量は二酸化炭素の濃度が1000ppm以下になるようにするんだって言ったよね。だからって、換気量を多くすると冷暖房費の負担増になるんだよ。だから必要最小限の量を決めて、それ以上でも、それ以下でもないようにすることが重要なんだね。この表(表―1)を見てごらん。

表ー1 建物形状・換気量による性能の違い

 
建物 A
建物 B
延べ床面積
118.88u
184.67u
 
貫流熱損失 W/K
貫流熱損失 W/K
部位
部位別合計
床面積1u当り
部位別合計
床面積1u当り
屋根

16.285

0.1369
32.696
0.1770
48.847
0.4108
69.120
0.3742
ドア・窓
87.606
0.7369
106.401
0.5761
木部床
10.23
0.086
23.114
0.1251
土間床
6.248
0.052
7.222
0.0391
換気
52.742
0.4436
53.937
0.2920
熱損失合計
221.958
1.8670
292.49
1.5838
熱損失係数
Q値=1.867W/uK
Q値=1.583W/uK
TSJ(多摩消費者住宅)で実際に建築した2X4住宅での比較です。 基本仕様は全て同一です。
     
屋根断熱
 FP遮断パネル(アルミ遮熱層+ウレタン105o厚)
壁 断熱
 FPパネル(2X4用 ウレタン89o厚)
玄関ドア
 Ykk ap デュガードtypeS 
 Ykk ap エピソード70+ペアガラス6.8+12+3 
換気システム フレクト社製 
 エクソネット換気システム(第3種)
換気量
 建物Aは、換気量を0.5回換気で設定
 建物Bは、居住人数+1=5人X30立方メートル で設定

建物 A 部位別熱損失比較

建物 B 部位別熱損失比較

同じ断熱のやりかたでも、建物Aは総2階、Bは1階に平屋部分がある2階建てなんだけど、床面積の大小で数値が随分ちがうよね。躯体の断熱性能がこれくらい良い建物の場合には、換気による熱損失が大きな割合を占め(およそ20%前後)A,Bの換気量によるQ値の差は、約0.15W/uK と全体の1割もの量に相当するんだよ。だから換気量がどれくらいか計画し、空気の流れを計画するから計画換気って言うんだよ。でもね、計画だけではだめなんだ。最後に重要なのは、本当に計画通りの換気量があるか、少なくないか?多すぎないか?を確かめるために風量測定をすることなんだよ。測定して風量を確かめて初めて、「計画通り換気」になる訳さ、計画換気は重要なことだけど、皆が計画通り換気にしてくれるようになれば、住む人は安心だよね。」

へぇー、それでボスは気密測定・風量測定の日は、勝負―!!とか言ってでかけるんだね。思い出したよ、そういえば、昔だれかが、計画・実行・確認 仕事はこれの繰り返しだーとかいってたよ。だれだっけなー? まっ、いっか。 でも換気システムとかもいってたよね。システムてなんだ?。いろんなシステムがあるのかな? ボスー、ボスー ・・・またいないよ。タマチャンが調べるのー。聞いたほうが早いのになー。また寝不足だなー。

ボスの見せてくれた表はビックリするね。窓と換気で半分の熱が逃げるんだね。換気の量は計画通り換気だから変更できないとすると、窓の性能を良くすれば、もっとすごい家が出来るんだね。おーっと、いけない。タマチャンは換気システムだ。システムじゃないけど自然換気ってのもあったよね。そうか、でも風がなくて、室内外の温度差のないときは、換気しないんだったよね。だから機械換気が必要なんだよね。そしたら、機械換気には3つの方法があるんだって。

1.        第1種換気方式  給気と排気の両方にファンを使用する方式
           ビルや大きい厨房などに使用される。
           住宅用では熱交換タイプが主に使われている。

2.        第2種換気方式  給気のみにファンを使用する方式
           ボイラー室などに使用される。

3.        第3種換気方式  排気のみにファンを使用する方式
           台所、トイレ、浴室など一般的な方式。計画換気のシステムとしては、
           ダクト+排気ファンの組み合わせで住宅用の代表的方式 

それぞれの方式で、ファン・ダクト・レジスターを組み合わせて換気システムとして売られているんだって。でもどのシステムが良いのかはタマチャンには解らないなー。ボスに聞くしかないですねー。早く帰ってこないかなー。寝ちゃうといけないから、玄関で見張ってよっーと。

「ただいまー。おや、タマチャンお出迎えとは珍しいね。どうしたの?」

珍しいってどういうことよ。あたしだっていつも寝てるわけじゃありません。それよりも、どの換気システムが一番いいのか、教えてよ。調べてみたけど解らないのよ。タマチャンは、熱交換タイプってのが高級そうで、いいと思うんだけどな。

「タマチャンも熱交換って言葉に惹かれるかい。熱交換というのは、室内の冷暖房された空気を捨てるときに、取り入れる外気との温度差をなくすように、ファン本体のところで、熱を受け渡し(交換)できるようになっているタイプなんだよ。」

 だったらいいね。冷暖房、損しないよね。

 「そう思うよね。ボスも昔はそう思ったんだよ。でもね、熱交換には全熱交換と顕熱交換と2種類あってね、気温というのは空気の熱量なんだけど、空気の熱には水蒸気がもっている潜熱と乾いた空気の顕熱と2種類からなりたっていて、両方の合わさった熱のことを、全熱というんだよ。難しいね。」

そんなこと解らないよ。だから何なのよ。 

「熱交換方式の多くは、全熱式なんだ。全熱式の熱交換というのは、熱の交換(温度の交換)といっても潜熱も交換、つまり水蒸気の交換もしてしまうんだね。ホコリはフィルターで取り除くけど、湿気はにおいと共に新鮮空気に乗り移り(つまり交換されて)また室内に戻ってしまうんだよ。ということは、浴室やトイレの空気を一緒には排気出来ないんだね。タバコのにおいも戻ってきちゃうんだよ。」

 だったらさー、浴室やトイレには別の換気扇をつければいいじゃん。

「タマチャン、気密住宅では空気は入ってこないと出て行かないって言ったよね。換気システムは、入ってくる量(給気量)と出て行く量(排気量)を必要最小限で設定するっていったよね。熱交換換気システムで給排気のバランスを取っているのに、浴室やトイレの換気扇を回すとどうなるだろうね?浴室やトイレから排気がされるとしたら、その空気はどこから入ってくるんだろうね?もしも同時給排気タイプだとしたら大変だよ。浴室やトイレの温度が限りなく外気温に近くなってしまうね。室内間の温度差は健康には一番悪いって言ったよね。顕熱交換タイプなら水蒸気を交換しないから、浴室やトイレも一緒に排気出来るんだけど、全熱方式と比べると交換できる熱量がうんと少なくなるので、熱交換の意味が薄れてしまうんだよ。実は、うちも以前は熱交換方式を使用していたんだけど、今は第3種方式にしているんだ。これに切り替えた最大の理由は、健康住宅では、新鮮空気をダクトを通して給気したくないって事なんだ。空気質が一番良いのは外の空気だよね。それを汚さずに取り入れて呼吸する。これが一番大切なことだと解かったからだよ。」(熱交換のお客様、知らなかったとはいえ、本当にゴメンナサイ。)

 フーン、そういえば、シックビル症候群とかの原因は、ダクトから吹き出す空調の空気だって言ってたよ。ヤダネー。

 「そうなんだ。住宅の場合は、ビルのようなダクト内部のカビの心配は少ないからまだいいんだけど、可能性のあることは避けなければ、ということさ。」

 安全第一なんだね。じゃー、換気システムは第3種方式で決まりだね。

 「そうだね。ただもう一つ注意しなければいけない事は、システムを選ぶときに、排気口の風量コントロールが正確にできるタイプにすることだね。そして風量測定して計画通り換気にすることだよね。」

 なんだかさー、すごくいい感じになりそうだよね。でも前に、その2の温湿度のとこで換気を計画的に行う上で重要なことは、隙間相当面積 C値=0.7平方センチ/u 以下にしないと隙間風の影響をうけて、冷暖房の消費エネルギーが増大しちゃうって、いってたよね。  ということは、計画通り換気にするのには、隙間があっちゃいけないんだね。でもそれ以上の隙間があったらどうなっちゃうんだろ?家の隙間って見えるの? 見えないよね。見えなっかったら分からないよねー。普通、隙間ってどのくらいあるの?C値じゃ解りませんって。隙間、隙間風?あーあ、また調べることが出来ちゃったなー。