15/06/02   クロルピリホス (祝サッカー日本代表決勝T進出)

サッカーワールドカップのニュースの陰で薄れているけど、中国産の冷凍ホウレンソウからクロルピリホスが検出され、製品が回収される騒ぎがあった。政府は健康に影響を及ぼすほどの含有量ではないから心配はいらないといっている。

クロルピリホスは有機リン系殺虫剤で農薬として広く使われていた。住宅業界においては、防蟻処理剤(シロアリの駆除、予防)として、長い間木材に塗布したり、土壌処理として床下や建物の周囲に散布していた薬剤である。当社では、平成4年頃から基礎パッキンの使用、床下防湿処理、土台の材質などの対応で防蟻処理をやめている。ただ、住宅金融公庫融資の建物に関しては、厳密に対応すると、防蟻処理が必要となり、苦労したこともあった。  現在クロルピリホスに対してどのような規制状況かと調べると、

*         20006月にアメリカ環境保護長官が、ダーズバン公告として 米国で最も広く使われている家庭用農薬、ダーズバンの家庭や、庭用での使用を本年末までに実質的になくす。全シロアリ駆除用途および、学校・公園・病院などの施設、地域でクロルピリホスの使用を、本年末までになくす。 と公告 (ダーズバンとは商品名でほかにローズバンがある。)また、次の栽培シーズンにいくつかの食品で、農薬残留をなくすか、劇的に低下する。そして最後に、2004年末までに新規家屋と建築物建設用のシロアリ駆除剤として、クロルピリホス使用を排除する予定。

* (社)日本しろあり対策協会は、20007月の段階では、アメリカにくらべ日本の総使用量は1/20以下であり、小動物に対する影響がでることは分かっているが、新たな毒性は発見されていない等の理由からアメリカと同様の規制を行う考えは無い。としていたが、同11月に、2001年4月からクロルピリホスを段階的に製造・使用中止していくことを決定。
         (社)日本しろあり対策協会 に加入しているシロアリ駆除業者は、約25%と言われている。

*          厚生労働省は20001215日にクロルピリホスを化学物質の室内濃度指針値として1μg/立方メートル(0.07ppb)  小児の場合はその1/10とすることとし追加設定した。ちなみに、これがどのくらいの濃度かというと、
学校のプール(約
300立方メートル)に入れた4〜5滴の目薬(0.3cc)くらい。

こんなに厳しい濃度指針を決めているのは、毒性が非常に高いということ。また、シロアリ防除処理が5年間保障で行われていることが示すとおり、残留性が高いということではないか。(濃度の単位が ppm ではなく ppb である。)

 輸入禁止になった中国野菜は、この2年で急増している。 2002年に入ってから、クロルピリホスが検出された野菜には、スナップエンドウ・豆苗・ケール・サイシン・パクチョイ・ニラ・枝豆・シソ・コリアンダー と生鮮、冷凍ともに検出されたものもある。2002年3月には、落花生からアフラトキシンの陽性反応があり問題になった。アフラトキシンはカビ毒で200℃の熱でも分解しない自然界最強の発ガン物質といわれ、肝臓ガンの原因物質である。(カビについては、家づくり講座で後日とりあげます。)

 クロルピリホスは神経系に直接有毒であり、昆虫と人間を含む動物を死にいたらしめる。皮膚接触・経口摂取・吸入の経路で急性毒性を発生させる。神経障害・生殖への影響・脳・行動への影響があるといわれており、特に大人より子供での毒性が強いことが知られている。君子危うきに近寄らず。

門横の塀のところに、浅い箱に密植された花が立てかけられている。道行く人に見てもらうために、相当に手間をかけているここの家人には、頭が下がります。冬の間は、パンジーが同じように、確か3箱並んでいました。パンジーがそろそろ、終わりだなー と思うころのある日、この花に替わっていました。水平に植えるのと比べたら、水やりなどさぞ大変なことだろうなーと思いながら、時々少し寄り道して眺めています。

その後 7月29日国土交通省は7月12日に公布したシックハウス症候群対策の「建築基準法等の一部を改正する法律」に伴い、シックハウス対策の技術的基準の試案をまとめ、意見募集を開始した。それによると、居室を有する建築物においては、クロルピリホスの使用、またこれを含有する建築材料の使用を禁止することとした。意見募集を8月28日に締め切りその後正式に法律化される。

7月29日 厚生省は、7月10日から開始した塩茹で野菜の残留農薬の検査において、26日中国産の冷凍塩茹で枝豆から、基準値の2倍の0.2ppmの農薬クロルピリホスを検出したと発表。健康への影響は、「枝豆を毎日2.5kg食べつづけても健康に問題がない量」というが、輸入業者に全量の廃棄または積戻しを指示した。中国産の枝豆は今年1月から7月下旬までの間に、生鮮・冷凍3万キロ余り、加熱後冷凍食品が約830万キロ輸入されているとのこと。